「また始まった…もう、どうすればいいの」
着替えもイヤ。ごはんもイヤ。保育園もイヤ。靴を履くのもイヤ。
毎日毎日、朝から晩まで「イヤ!」の嵐。
怒りたくないのに怒ってしまった夜、布団の中で気持ちが落ち込んだこと、ありませんか?
わたしは保育士として15年間、たくさんのこどものイヤイヤ期をみてきました。同じくらい、向き合うご家族の大変さも、近くで見てきました。
現場で保護者の方たちにお伝えしてきたことを、ここでもお話しさせてください。
「うまくいかない」と感じているあなたへ
うまくいかないと感じるのは、決してあなたのせいではありません。
むしろ、真剣にこどもと向き合っているからこそ、出てくる気持ちなんだと思います。
「こんな対応でよかったのかな」「もっとうまくできたはずなのに」…そう悩む時間そのものが、こどもを大切に思っている証拠だと思います。
イヤイヤ期って、なぜこんなに大変なの?保育士が考える本当の理由
「ダメ」「イヤ」は成長のサインだった
イヤイヤ期が始まるのは、だいたい1歳半〜2歳ごろ。ピークは2歳前後で、3歳を過ぎると少しずつ落ち着いてくる子が多いです。
「なにがそんなにイヤなの?」と思いますよね。
実はこれ、こどもが「自分」という存在に気づき始めた証拠なんです。
「わたしはこうしたい」「ぼくはこれがイヤ」という気持ちが芽生えてきた。それ自体はとても大切なこと。でもまだ言葉がうまく使えないから、「イヤ!!!」という全力の拒否になってしまうんです。
2〜3歳の脳の中では何が起きている?
この時期のこどもの脳は、感情を司る部分が急発達しています。一方で、気持ちをコントロールする部分はまだ未発達。
つまり、気持ちは大人並みに大きいのに、コントロールする力がまだ追いついていない状態です。
嵐のような「イヤ!」は、こどもなりの精一杯の自己表現なんです。
現場で使えた!保育士直伝のイヤイヤ期対応5つ
保育園で実際におこなっていた関わり方を、お伝えします。毎回うまくいくような魔法のようなものではありませんが、試してみてください。
①選択肢を2つ渡す
「着替えなさい!」ではなく、「この服とこの服、どっちにする?」。
選ばせてあげると、こどもの「自分でやった!」という気持ちが満たされて、動いてくれることがぐっと増えます。ポイントはどちらを選んでも困らない選択肢を出すこと。「着替える?着替えない?」は聞かないようにしましょう(笑)。
②気持ちをそのまま言葉にしてあげる
「イヤなんだよね」「悲しかったんだね」「やりたかったのに、できなくて悔しかったんだね」。
こどもは自分の気持ちをうまく言葉にできないから、爆発してしまいます。大人が気持ちを代わりに言葉にしてあげると、「わかってもらえた」とふっと落ち着くことがあります。
すぐには効かないことも多いですが、続けているうちに「あ、これが悲しいってことなんだ」とこども自身が学んでいきます。
③とりあえず待ってみる
完全にスイッチが入って泣き叫んでいるとき、何を言っても届きません。
そんなときは無理に止めようとせず、「そうだよね、イヤだったね」と一言添えて、そばで待つだけでもいいんです。
嵐はいつか必ず止みます。落ち着いてきて、声が届くようになったら、「抱っこする?」など声をかけてみてください。
④見通しが立つように伝えていく
「もうすぐご飯だから、ごはんだよって言ったらおかたづけしようね」「手がよごれてるから、おうちにかえったら、そのままおふろに入ろうね」と、見通しがたつように声をかけておく。
イヤイヤ期のこどもは、突然の切り替えが大の苦手です。心の準備時間を作ってあげると、スムーズに動ける回数が増えることもあります。
⑤「笑い」で乗り越える瞬間もある
真剣にやり合っていたのに、ふとしたことで笑って急に機嫌が直った…という経験はありませんか?
「おっと、靴下くんが逃げていくー!」とか「あれ?ごはんがお口を探してるよ?」とか。
毎回うまくいくわけじゃないけれど、笑いの力はあなどれません。ちょっとした遊び心が、意外と突破口になることがあります。
やりがちだけど逆効果だった対応(保育士の失敗談つき)
わたしも保育士になりたての頃、やってしまったことがあります。
「何がいやなの?」
これ、逆効果でした。そもそも「なぜイヤか」を言語化できないから泣いているのに、言語化を求めてしまったんです。
他にもこんな対応は、うまくいかないことが多いです。
- 「泣いてもダメ!」と感情を否定する
- 要求をすべて通してしまう
- 「じゃあもういい!」と突き放す
こどものイヤイヤに振り回されすぎず、でも気持ちは受け止める。このバランスが大切なんですが…これが本当に難しい。
うまくいった日も、次の日同じ方法が通用するとも限らなく、うまくいかない日もあって当然だと思います。
つらくなったとき、ひとりで抱え込まないでください
ひとつお願いがあります。
つらくなったとき、「自分さえ我慢すればいい」と思わないでほしいんです。
こどものイヤイヤに毎日向き合っているあなたは、心も体も本当に消耗しています。
- パートナーに「今日ちょっと交代してほしい」と言っていい
- 一時保育や保育園の延長保育を使っていい
- 誰かに「しんどい」と話すだけでもいい
- 保育園の先生に相談してみてもいい
こそだては正解がなく、悩むものなので、ひとりで抱え込まないことは大切です。
まとめ:イヤイヤ期も、いつか落ち着く時がきます
これだけは伝えたいです。イヤイヤ期も、いつか落ち着く時がきます。
今はトンネルの中にいるように感じるかもしれないけれど、必ず出口があります。
3歳、4歳と育つにつれて、「イヤ」だった子が「やってみる!」に変わっていく瞬間を、わたしは何度も見てきました。
うまくいかない日も、こどもと一緒に過ごした時間は、ちゃんと積み重なっていきますので大丈夫ですよ。
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